本年度の目指す運動 〜理事長所信〜

【基本理念】

持続可能な地域の実現に向けて

〜Sustainable Community〜

・理事長所信  一般社団法人網走青年会議所 第65代理事長 石垣直樹

【はじめに】

 少子化、地方消滅という言葉が、私たちに重くのしかかる。人口予測は精度が高いと言われており大きくぶれることはなく、今世紀末の2100年には4,959万人とわずか90年で現在の約40%、明治時代の水準まで急減すると言われている。北海道は全国平均よりも早いペースで人口が急減すると言われており2040年に「極点社会」が到来する。多くの地方は今後25年で人口減少が進み、その存続が危ぶまれる。また、ICT技術のインテリジェント化は急激なスピードで発展を続け、2045年には技術開発の進化の主役は人間からコンピューターに移る技術的特異点(シンギュラリティ)に達すると議論され、国は研究会を立ち上げた。ビックデータ、ロボット、人工知能の進化による各産業形態における技術革新は、様々な職種を必要としなくなる。ビックデータをもとにした人工知能が判断したことに従う、その様な社会が訪れる。地域の未来、子供達の未来、その生活環境は一変しているだろう。

 私が衝撃を受けた言葉の一つに「地方は労働力を生産する場」。この言葉の意味は、私たちが産み育てた子供達は都市部の労働力という価値判断である。地方に残るか、都市部へ行くのかの最終的な判断は個人によるものだが、その選択肢は多くあるべきだ。生まれた地で働き、生活ができる環境を、選択肢を残すことが私たちの責任であると考える。

 全国各地にある青年会議所は「明るい豊かな社会」の実現を目指し、「修練」「奉仕」「友情」を三信条とし活動を続けている。時事的な事業、地域性を生かした事業、地域、日本の未来へとつなげる事業、同じ方向性を有しながら、様々な視点、様々な切り口での事業が全国各地で遂行されております。私たち網走青年会議所は、その進むべき方向性としてビジョンを5年ごとに策定しております。近年では2011年度に策定され、2012年度から施行された第13期LOM中期ビジョンにおいて、網走青年会議所の使命として「すべての市民において人間力開発が達成された明るい豊かな社会の実現する」と力強く宣言し、ビジョンとして「すべての市民がよりまち(網走)に関心をもち、具体的に考え、行動する社会を実現するため、運動を展開する」と掲げており、本ビジョンをもとに「我々は、誇りあるJAYCEEとして、人間力と愛郷心に満ち溢れた網走の実現を宣言する」という網走JC宣言を作成し、各会議、例会時のセレモニーにおいては必ず唱和しております。

 施行から2015年にいたるまで、ビジョンを実現するべく、郷を愛する心「愛郷心」をキーワードとし、各事業、そして第64回北海道地区大会 網走大会を通じて私たちのビジョンを地域、そして全道へと広めてまいりました。人間力開発においては、指導力開発、地域開発を各事業で実施し、我々自身そして多くの市民へと広く人間力開発を行っております。2016年度は第13期LOM中期ビジョン最終年度として、人間力、愛郷心をより一層溢れた地域の実現を目指していくために、また持続可能な青年会議所、地域の実現を目指し3委員会、1会議体を創造します。

【郷を愛する心を育むために】

 1952年の設立以来、青少年の健全育成、市民の生活環境改善、社会基盤整備、環境問題、北方領土問題、当事者意識の醸成、帰属意識の醸成等、様々な運動を展開してきました。その目的は「明るい豊かな社会」の実現であり、現在起こっている事象について問題提起しその解決を目指してきたのです。この活動をより多くの市民と共に、かつ多くの市民が自発的に地域について考え行動することができるのならば、その解決は多様性に富み、より多くの事に取り組むことができるのではないでしょうか。そこに至る前提としてコミュニティー、共同体に対する意識向上が必要であり、それがすなわち郷を愛する心を育むことにつながるのです。私たちはJAYCEEとして人の心を動かし、市民意識変革から市民活動へとつなげていくことで、地域の愛郷心を育んでまいります。

 地域の未来は、子供達のためにある。そのために私たちは何をしなければいけないのか。子供達はすでにある環境から学びを得る他に、親や他人から与えられた環境や機会によって物事を学ぶことができるのです。子供達の将来を願うことは親として至極当然のことであり、願う姿へと意図的に歩ませることは私たちの責任ではないでしょうか。私たちはJAYCEEとして子供達へ郷を愛する心を育む機会を提供し、またこの機会提供が市民から賛同を得ることで、愛郷心溢れる地域を実現してまいります。

【地域の人間力を育むために】

 私たちは青年会議所に属することで、リーダーとしての意志を育み、様々な活動を通じた経験の集積により、その意志を確固たるものとしてきました。しかし時代の流れとともに、必要とされるリーダー像は変化しているのです。今必要とされるリーダー像を明確化し、そうなるための修練を積まなければなりません。私たちは活力と知力を両立した上で、社会的役割を果たすことができる「自立」と、共にたくましく生き抜くことのできる「共助」を、すなわち「人間力」を備えなくてはなりません。まずは私たちが率先して人間力を育んだ上で、様々な機会を通じて地域の人間力を育んでまいります。

 地域における青年会議所の会員が増えるということは、それだけ人間力が広まるということであり、会員拡大こそが私たちが願う地域の実現へとつながる近道なのです。地域における青年会議所の人口比率を向上させることで「明るい豊かな社会」の実現を目指し、人間力に溢れた社会を実現してまいります。

【網走青年会議所を推進するために】

 私たちの活動は、事業、例会、そして様々な会議によって実施されていきます。それぞれが円滑に実施されてこそ、それぞれの効果が最大限に発揮されるのであり、その運営に支障がきたすのであれば、最大限の効果は望めません。各種記録保存、私たちの活動の広報、会員への青年会議所の基本情報の提供など、様々な庶務が遂行されなければ、推進力を発揮することはできません。組織の屋台骨となり、組織を支える人がいてこそ私たちの運動は推進されていくのです。また、網走青年会議所が長年活動を続けている北方領土問題解決への運動は、市民意識を変革へと導き市民意志を後押し支える活動であり、この意志を国へ届けるという、網走青年会議所を推進するうえで、根幹をなす運動の一つとも言えるものです。

 組織にはリーダーを支える力が必要です。リーダーによるリーダーシップと会員によるフォロワーシップ。この2つが有るからこそ、力強い推進力を有する組織であり、このフォロワーシップの向上には、それぞれの特性を知る機会が必要であると考えます。そのためには既存のソーシャルメディアを使用するのではなく、閉鎖的な中での情報共有を図ることで、上辺だけではなく仲間としてお互いを信じ合える組織を確立していかなければなりません。持続可能な地域を実現する組織であり続けるために、さらなるメンバー間の信頼関係を醸成してまいります。また、市民の意志を網走青年会議所がフォロワーとして支えることで、問題解決へ向けた後押しと、地域との信頼関係を築きさらなる網走青年会議所の推進力を育んでまいります。

【持続可能な地域を育むために】

 網走青年会議所が次の未来へ進むために、私たちは未来を創造しなければなりません。本年は2017年から2021年までのビジョンを検討し策定することで、これから先の未来を創造してまいります。社会環境の変化は目まぐるしく、現代社会における5年というスパンは非常に長いものかもしれません。しかしそこにある人や地域の変化は穏やかであり、5年間で方向性を精査し、再構築していくことは妥当であると考えます。第64回北海道地区大会網走大会を経験した網走青年会議所として、これからの網走青年会議所の指針として、地域に対して、組織に対して、毎年新陳代謝が繰り返される組織として、運動の先を見据え、持続可能な地域の実現を目指してまいりましょう。

【結びに】

 2003年に帰省し翌2004年、当時26歳であった私は、諸先輩からのお誘いをうけ社団法人網走青年会議所へと入会しました。当時は「知り合いができるなら」と軽い気持ちで入会し、与えられた機会に向き合い多くの学びと経験を得てきました。そして何よりも胸を張って仲間と言える出会い、その仲間と多くの時間を共有した濃密な活動を通じて育まれたつながりは、時として家族以上のものと成り得たのでした。ワークライフバランスという言葉があるが、私達はそこにプラス青年会議所活動という大きな存在を担うことで、各々がそれぞれの成長へとつなげているのです。私が経験したこの11年、この1年1年は私を形成する上で多大なる影響を与えていることは間違いがなく、そして今なお一生涯忘れることができない貴重な経験の最中にいるのです。

 私は青年会議所活動を通じて「時間は平等ではない」という時間の価値に気付かされました。

 40歳までの限りある時間、私達は仕事と家庭という時間、そこに青年会議所活動という貴重な時間を通じ青年期に多くの経験を得ることで、自身の人生を大きく変革させようとしているのです。

 2016年多くの人との関わりの中で、64年間もの長きにわたり必要とされ続ける網走青年会議所を、地域と共に持続し続けるために、変革を示し実行してまいりましょう。



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